2017年1月から国土交通省が、中古車の走行距離メーターに関する、書類上の記載の方法を変えるとのこと。
「え? まだメーターを巻き戻す改ざんをやっていたの?」という素朴な疑問が湧いてきました。昔ならいざしらず、いまは車の走行距離の管理はデジタルになっているので簡単には書き換えられないはず・・・でした。
走行距離の違法な改ざんの仕組みとは?
ところが特殊な装置さえあれば、簡単に書き換えられるというから驚き。
でも車検を受ける時に、走行距離が車検証に記載されることになっているので、普通はそんなことをすれば、すぐにばれてしまうと思いますよね。
ところが、なんでも抜け道を考える人がいるもの。
車検証に記載される走行距離は、現在と1回前の車検時に記録された走行距離のみ記載される仕組み。
3回前の走行距離を把握することができないわけなんです。そこでこの仕組みを応用してこんなことを業者しました。
例えば10万キロの車を今日、車検を受けます。そのときにメーターを巻き戻しして3万キロとして車検を受けます。
前回10万キロ、今回3万キロ
普通だったら怪しまれますよね。そこで業者はこう言います。「メーターが故障したから交換した。」という。
このように言われてしまえば、誰も何も言えませんよね。確かめることができません。交換したメーターを保管する義務もありませんから。
そして、この業者さんが、その日のうちにまた車検を受けます。すると、どうなるのか?
前回は3万キロ、今回3万キロに書き換えれば、それっぽく見えるかも。
でも「車検を連続で2度も受けられるの?」と思うのですが、別に何回受けても料金さえ払えば検査してくれます。車検を受けないのは法令に違反しますが、多く受ける分には何の問題もないということでした。
まさか、こんな裏技が存在するなんて、考えてもみませんでした。・・・普通は考えないですよね。
今後は、メーターを交換した場合、必ず過去のもっとも長い走行距離も追加で記載する仕組みになるそうですが、もう抜け道は無くなるのでしょうか?
来年1月までは抜け道があるので、購入される場合は次の点に注意しましょう。
車検の時期でチェック
ただ、現在も抜け道に気づく方法があります。それは車検の間隔です。あまりにも近い間隔で車検を受けていたら、普通はあり得ないので何かしていると考えるのが良いでしょう。
普通は新車で3年、それ移行は2年毎に車検を受けますから、それが短いと何かあるとまず疑うことです。この車検の日付チェックだけで、大抵のメーター改ざん問題は防ぐことができそうです。
まだ抜け道は継続中
10万キロの車が前回、車検を受けたときは7万キロだった場合、少なくとも7万キロまでは巻き戻しても分からない。
7万2000キロくらいの時に、持ち主が車にならなくなったという理由を言われたら、それを調べる方法はありません。
前回の持ち主にも個人情報の観点からも聴けないでしょうし、一緒にグルになっていたら、そもそも無理。
7万キロと10万キロの車では、販売価格も変わるので、これ以上は調べるのは困難です。後は、各部の劣化状況などを判断したり、試乗して確かめるしかありません。
数値で明確な差がでるわけではないので、2017年の1月までは、メーター巻き戻し車を買ってしまうリスクは完全には取り除けません。
まとめ
最後は販売店の信頼性にかかっています。
高くても危険
あまりにも安い車があれば、何かしら疑っって避けた方が良いでしょう。でも、高く売られたら値段では判断がつきません。
やはりその地域で長く中古車販売点をされていたり、大手のチェーン店が何かあったときにも安心です。
ただ問題なのは、例え巻き戻し車だと後から発覚しても、販売店の保証期間をすぎれば自己責任となります。発覚するケースはまずないでしょうけれど・・・。